恙無く調整
今週の振り返り用の資料をいくつか用意していましたが、急速な展開のため不要になり
ました。
アメリカの経済指標が強いだとか、それに伴い長期金利が上昇だの地政学的リスクが
どうだのASMLやTSMCといった半導体銘柄の決算のガイダンスが悪かっただの、色々材
料はあるでしょうが、結局は需給やポジションの問題が一番なのではないかと思ってい
ます(19日は米国のSQ日でもある)。
過日、「価格帯別出来高を見ると、38000~36000間は殆ど空白地帯なので、下に抜け
ると早い」と指摘しましたが、相当数積み上がっていた裁定買い残が地政学的リスクを
発端に急速に解消され、一時前日比3.5%マイナスという下落を齎したのでしょう。
テクニカル的には日足100MAまできれいに調整した形になりましたので超短期目線で
買いを入れました。
日経平均先物と価格帯別出来高
マーケット|SBI証券
恐らく買い場だのアク抜けだの買い煽りが湧いてくるでしょうが、中長期的な買い場だ
とは全く思っていません。理由は以下の通り。
Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *四時間足
年初から下値支持線となってトレンドを形成していた200MAに対し、30、50、100
全てのMAがデッドクロスになっています。
更に週足を見ると、MACDがデッドクロスになっています。
Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *週足
去年から丸5月続いてきた上昇が終わったと思われる局面で2、3週の下げで調整が終了
したと考えるのは余りに早計です。
2、3ヶ月(週足チャート黄の30MA~青の50MA辺り)は続くと保守的に構えた方が賢明
でしょう。
短期的な「反発」は入るでしょうが、本格的に上昇トレンドに「反転」するサインはどこ
にも表れていません。
少なくとも、過去トレンドラインだった四時間足の50MA、200MAを超えて行かなければ
なりません。
更に言うと、上掲の価格帯別出来高を見て分かる通り、36000の下は34000までスカスカ
なので、下に抜けると早いでしょうし、今年中にそこまでの下落はあると思っています。
米国株についても、現在の日経平均とNasdaq100 は酷似しているので日足チャートの
100MAまで調整しています(チャートは省きますが週足MACDもデッドクロス)。
Nasdaq 100 Jun 24 (NQ=F) *日足
* 米国版 yafoo finance が最近改悪して見辛くなったので元に戻して欲しい。おまけに使い辛い。
下髭で戻しているのでセリクラっぽくもある(ただ出来高が少ない。時間外だから?)
日経平均は出来高を伴っているので、それなりに信用して買いを入れたわけですが。
ここからが本題
「34年前のバブルの高値を超えた」だの、「日経平均41000に迫る」と言った煌びやか
なアトラクションを見せられてまだ日が浅いので、宿酔の人も多いかと思いますが
「今の株価は高いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ」だの散々弱気目線で
煽っていた手前、暴落に乗じる形にはなりますが、年初からの急騰は投機的な思惑によ
って作られた相場だと思っているので、あまり調子こいて年末は43000だの45000だの
強気の見通しを立てていると、痛い目を見て病院で栄養食を食べる事になるように思い
ます。
リーマン危機以降の価格変動幅は上図のようになっています。
天辺を付けた後は、半年から一年ほどかけて緑の平均線まで戻っているようです。
半年後なら今年の10月下旬辺りで33650、一年後なら来年4月下旬で35170。
ちなみに上限ラインは今年の12月末で42800程度です。
43000はギリ到達しそうですが、45000は文字通り off the charts なわけです。
少し強気な材料も提示してみましょう。
上限に到達するタイミングを追ってみると、2013年、2015年、2018年、2021年、2024年
と、大体3年毎に到来しています。
韻を踏むなら3年後に上限ラインに到達するとして(上半期に実現することが多いよう
なので)2027年4月に52000という試算が出来ます。
これを信じられるならガチホでも良さそうではあります(私は絶対やりませんが)。
米国株は過去に何度も掲載しているので今回は割愛します。