半導体「フィーバー」の終焉

 

 

4/19市場の振り返り

 

ここ最近一番不調だったDowはプラス、半導体銘柄とNetflixが大きく下げた影響で

Nasdaqが大幅に下落。

全面大幅安にはなっていないので、地政学リスクが尾を引いている感じではなさそう。

しかし市場の雄だったNvidiaは10%マイナスと3/8以来の大陰線。


NVIDIA Corporation (NVDA) *日足

 

50MAの上で持ち堪えていたのを豪快に下抜け。

その他のAI半導体関連銘柄も軒並み崩落。

 

 

 

しかし浮付いた上澄み部分の熱が引いたというだけで、ストーリー自体が終わったとは

現時点では思っていません。

100MAと同価格帯に今年2月の決算前の押し目)があるので、頃合いを見て短期ト

レードをするかもしれません。

ただ、今日一日の値動きは殆ど戻さず、特に引けにかけて売りが加速するように一方的

に売られており引け味はかなり悪いので、まだ買いを入れるのは少し早いように思いま

す。

 

5分足で見るとこのような感じ。

 

価格帯出来高を見ると天井付近で貪欲に買いを入れた投資家が少なくないようです。

 

NVIDIA CORP (NVDA) 価格帯出来高

外国株式・海外ETF|SBI証券

 

天井圏で上髭大陰線という不吉なチャートパターンを形成しているのに意に介さず、塩

漬けだのすぐに戻るだの、勝手な思惑で相場を張っている素人について過去に言及しま

したが、無知無分別で相場に参加しても、投資しているつもりで実は投機の片棒を担が

されていたなんてことはよくあることです。

 

本格的に買いを入れるのなら500ドル辺り(最高値から半値押し)まで待つことになり

そうですが、一先ず来月下旬の決算がどうなるか。

 

 

 

 

バブル再来を幻視する人々

 

恙無く調整

今週の振り返り用の資料をいくつか用意していましたが、急速な展開のため不要になり

ました。

アメリカの経済指標が強いだとか、それに伴い長期金利が上昇だの地政学的リスクが

どうだのASMLTSMCといった半導体銘柄の決算のガイダンスが悪かっただの、色々材

料はあるでしょうが、結局は需給やポジションの問題が一番なのではないかと思ってい

ます(19日は米国のSQ日でもある)。

 

過日、「価格帯別出来高を見ると、38000~36000間は殆ど空白地帯なので、下に抜け

ると早い」と指摘しましたが、相当数積み上がっていた裁定買い残地政学的リスクを

発端に急速に解消され、一時前日比3.5%マイナスという下落を齎したのでしょう。

 

テクニカル的には日足100MAまできれいに調整した形になりましたので超短期目線

買いを入れました。

 

日経平均先物と価格帯別出来高

マーケット|SBI証券

 

恐らく買い場だのアク抜けだの買い煽りが湧いてくるでしょうが、中長期的な買い場だ

とは全く思っていません。理由は以下の通り。

 

Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *四時間足

 

年初から下値支持線となってトレンドを形成していた200MAに対し、30、50、100

全てのMAがデッドクロスになっています。

更に週足を見ると、MACDデッドクロスになっています。

 

Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *週足

 

去年から丸5月続いてきた上昇が終わったと思われる局面で2、3週の下げで調整が終了

したと考えるのは余りに早計です。

2、3ヶ月(週足チャート黄の30MA~青の50MA辺り)は続くと保守的に構えた方が賢明

でしょう。

短期的な「反発」は入るでしょうが、本格的に上昇トレンドに「反転」するサインはどこ

にも表れていません。

少なくとも、過去トレンドラインだった四時間足の50MA、200MAを超えて行かなければ

なりません。

 

更に言うと、上掲の価格帯別出来高を見て分かる通り、36000の下は34000までスカスカ

なので、下に抜けると早いでしょうし、今年中にそこまでの下落はあると思っています。

 

米国株についても、現在の日経平均とNasdaq100 は酷似しているので日足チャートの

100MAまで調整しています(チャートは省きますが週足MACDデッドクロス)。

 

Nasdaq 100 Jun 24 (NQ=F)  *日足

* 米国版 yafoo finance が最近改悪して見辛くなったので元に戻して欲しい。おまけに使い辛い。

 

下髭で戻しているのでセリクラっぽくもある(ただ出来高が少ない。時間外だから?)

 

日経平均出来高を伴っているので、それなりに信用して買いを入れたわけですが。

 

 

ここからが本題

「34年前のバブルの高値を超えた」だの、「日経平均41000に迫る」と言った煌びやか

アトラクションを見せられてまだ日が浅いので、宿酔の人も多いかと思いますが

「今の株価は高いと感じてしまってるやつは本能的に長寿タイプ」だの散々弱気目線

煽っていた手前、暴落に乗じる形にはなりますが、年初からの急騰は投機的な思惑によ

って作られた相場だと思っているので、あまり調子こいて年末は43000だの45000だの

強気の見通しを立てていると、痛い目を見て病院で栄養食を食べる事になるように思い

ます。

 

 

リーマン危機以降の価格変動幅は上図のようになっています。

天辺を付けた後は、半年から一年ほどかけて緑の平均線まで戻っているようです。

半年後なら今年の10月下旬辺りで33650、一年後なら来年4月下旬で35170。

ちなみに上限ラインは今年の12月末で42800程度です。

43000はギリ到達しそうですが、45000は文字通り off the charts なわけです。

 

少し強気な材料も提示してみましょう。

上限に到達するタイミングを追ってみると、2013年、2015年、2018年、2021年、2024年

と、大体3年毎に到来しています。

韻を踏むなら3年後に上限ラインに到達するとして(上半期に実現することが多いよう

なので)2027年4月に52000という試算が出来ます。

これを信じられるならガチホでも良さそうではあります(私は絶対やりませんが)。

米国株は過去に何度も掲載しているので今回は割愛します。

 

 

 

 

穏落

 

 

「暴落」でも「買い場」でもない

4/12の米国株は、値幅は大したことないが揃って下落。

 

 

原因はインフレ。

まず4/10に発表されたCPIの数値が市場予想を上振れした。

 

当然長期金利も急騰し、その日は金利に敏感なRussell 2000などは3%近く下落したが

翌4/11はNasdaqを中心に反発する。

金利に勝る成長性を持つビッグテックに資金が集中するという、ここ1年ほど市場を席

捲した展開に。

 

 

理由は生産者物価指数の数値が予想を下回った(コアの数値は市場予想を上回っている

が)からだが、Dowは全く回復出来ず、Russell 2000も半値戻しにも至らず。

 

 

しかし、この数値はカラクリがあり、それを知ってか知らずか4/12の23:00の「ミシガ

ン大学期待インフレ・消費者信頼感」発表前から先物が弱含み始める。

 

結果はインフレ期待は上振れ、消費者信頼感は下振れ。

 

これを受け、VIXは久しぶりに20近くまで急騰。

 

生産者物価指数のカラクリについては、上掲のzerohedgeの記事にあるように

3月に米国全体の平均ガソリン価格が6.3%上昇したにも拘らず、「季節調整」で3.6%下

落したことになっている。

 

早くも今の時点で26日発表のPCE価格指数の下振れ予測記事が出ている。

 

www.bloomberg.co.jp

 

これも季節調整されているのかもしれないが、ガソリン価格はここ最近はずっと上昇

基調であり、来月発表の数値が強ければ一旦安堵した市場はまた動揺するのではないか。

それもまた「季節調整」で乗り切るのだろうか。

 

雇用統計のカラクリついては過去記事でも触れたが、少なくとも選挙まではこの調子で

株価も底堅く「季節調整」されるのだろう。

 

非科学的な相場分析

Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *四時間足

 

日経平均先物)はCPIショックで1%強下落するも、その日の内にほぼ回復し、その夜

Nasdaqの反発に連れ高し、時間外では抵抗線だった50MAを抜け100MAまで到達する

もザラ場では寄り天で200MAまで後退する。

その後は見ての通り、その夜の米国の下落に同調し、前回安値を割る。

 

株価だけ見ると3月の安値は割っていないが、日足のチャートを見ると50MAを割ってし

まっており、テクニカル的にはもう一段安の懸念が生じる。

 

Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *日足

 

S&P500(現物)は日足50MAで下支えされているが、30MAを近い内に上抜け出来なけ

れば再度下落の公算が大きい。

 

S&P 500 (^GSPC) *日足

 

週足を見ても11月以降ほとんど見られなかった陰線をつけているので余程の材料がない

と反発は難しい。

数か月内に50MAまでの調整はほぼ間違いなくあるだろうが、いつになるかによって調

整幅が変わる(概ね4500~4700を想定)。

 

S&P 500 (^GSPC) *週足

 

株価急落を受けリスクオフの債券買いで金利がやや低下したが、一時4.6%近くまで急騰

した10年債金利は株式相場の上値を重くするだろう。

 

CBOE Interest Rate 10 Year T No (^TNX)

 

 

5月下旬にNvidiaの決算がある。

それまでは相場を押し上げる材料に乏しい。

 

NVIDIA Corporation (NVDA) *週足

 

チャートを見る限り出来高も減り、短期線(5MA)の下に潜ってしまっている。

下髭をつけているのでまだ救いがあるが、また黄色の30MAまで調整するなら700ドル近

くまでのドローダウンは覚悟した方が良い。

 

 

 

瀬戸際風味

 

 

新年度入りを契機に、折り目正しく相場に変調の兆し。

まずは日経平均

 

Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *四時間足

期初の需給要因により、3月MSQ(3月8日)以来再度50MAを割った後、② 200MA

に下支えされ力強く反発したように見えたが50MAが上値抵抗になり再度下落。

③ 4/5未明、米国株突如のリスクオフを受け、一時1000円安となり200MAを明確に割る。

 

翌日取引で米国株はひとまず回復を見せるが、日経先物は今現在200MAまでは届かず。

日経先物チャート4時間足の200MAは、年初来の上昇を支えてきたトレンドラインであ

るので、これが崩れると上昇トレンド継続が危ぶまれる。

 

Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *四時間足

 

オプションの建玉を見ると、4月限で38000、5月は36000が最多。

 

日経225オプション手口 | 投資の森

 

価格帯別出来高を見ると、38000~36000間は殆ど空白地帯なので、下に抜けると早い

かもしれない。

 

マーケット|SBI証券

 

 

米国株については、今はS&P500よりNasdaq100を見た方が分かり易い。

日経平均と同様に、先物チャート4時間足の200MAをトレンドラインに推移している。

 

Nasdaq 100 Jun 24 (NQ=F) *四時間足

 

また、直近の値動きも、200MAを切り50MAに頭を押さえられ、と日経平均と似たよう

な推移であり、徐々に上値を切り下げている。

このまま再度200MAを下に切るようなら、上昇継続シナリオは一旦断念した方が良い。

 

Nasdaq 100 Jun 24 (NQ=F) *四時間足

 

経済指標次第だが、6月利下げシナリオが潰えるとなると、相場には相応の冷や水とな

ると思われる。

6月半ばにFOMCがあるが、その頃に向けて週足50MA水準(株価にして4800程度)まで

の調整があっても何の不思議もない。

 

S&P 500 (^GSPC) *週足

 

日柄的には黄色の補助線まで下げてもおかしくないが、仮に6月中旬に黄色の補助線ま

で調整となると、株価は4500程度まで下がることになる。

今のところは、6月中頃まで下げた後、9月初頭まで一時持ち直し、その後10月末に底打

ちというのがメインシナリオ。

10月末に黄色の補助線まで下げるとなると、株価は4700程度。

 

前回選挙があった2020年のチャートは以下の通り、9月初頭から急落し10月末に底打ち。

 

S&P 500 (^GSPC) *日足(2020年)

 

選挙後は年末に向けて株高という安易な相場予想が出回っているが、どうなるかは至って

不透明。

トランプが返り咲けば、減税など株価の後押しとなる政策が取られると目されてはいるが

今のような財政逼迫した状態で減税する余裕などない。

誰が政権を担当しようと、放漫財政を継続するなら国債が投げ売られてもおかしくない。

今年の株価より長期の懸念材料が大きい。

 

www.bloomberg.co.jp

 

FRBに挑むのは危険な試みだ。しかし、今回は市場が正しいと思う。

市場はフェデラルファンド(FF)金利が27年に約3.75%で底を打つと見込んでいるが

連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの予想中央値は2.6%で、100bp以上低い。

その主な理由は、経済の力強さと金融環境の大幅な緩みだ。

高めの平均インフレ率が例えば2.5%で、1-1.5%の中立金利であれば、FF金利が長

期的に3.5-4.0%になることを暗示している。

これは27年の約3.75%が底だとする市場の見方に沿ったものだ。

従って、次に調整しなければならないのは市場ではない。FRBの方だろう。

 

10年債金利も順調に高値を更新し続け、素知らぬふりを決め込んでいた株式市場も流石

に反応し始めた。

 

CBOE Interest Rate 10 Year T No (^TNX)

 

金価格の上昇も著しい。

 

Gold Jun 24 (GC=F)

 

 

 

 

 

『含み益バリア』は幻

 

最初、「『複利』も『含み益バリア』も幻」としようと思ったのですが、流石に複利

で虚構であるかのように斬り捨てるのは思い留まり、「含み益は幻」という常套句を捩

って掲題としました。

 

ドルコスト平均法」と併せて、投資初心者への誘惑材料とされる「複利」ですが、過

去記事でも述べた通り、私はこれらの効力を謳って投資に誘い込もうとする論陣に対し

批判的です。

子供騙しのドルコスト平均法 - 日記ダイアリー

複利は投資家の味方か? - 日記ダイアリー

 

複利』は慣習的表現

「複利 嘘」でググってみると、私と似たような疑念を持っている人がそれなりにいる

ようで

 

www.rakuten-sec.co.jp

 

こちらの方は「投資に複利効果なんてない」と言い切っています。

 

記事内では「年率」のお作法の話 として 金融の慣習としては「年利に換算」するのが

一般的 と解説されています。

年利に限らず月利だろうと日利だろうと、期間内のトータルリターンをより短い時間

単位に分解・平準化すれば、複利が利いているように見せ掛けることは可能です。

(見せ掛けるというか、そうなるように幾何平均を算出してるのだから当たり前)

 

じゃあ、投資における複利の恩恵なんて見せ掛けに過ぎないと言いたいかというと、そ

うではありません。

配当などのインカムゲインを抜きにしても、投資の対象となる企業は、獲得した収益で

より優秀な人材を育成したり設備投資などを行い、複利的に収益を拡大しているでしょ

うから、そこへ投資をしている投資家は間接的に複利の恩恵を受けていると考えること

が出来ます。

 

より教条的なことを言えば、投資におけるリターンはリスクプレミアムによるもので、それが年利にして

%あるという期待の下、長期的にリスク資産を買い持ちしていれば、リスクプレミアムを複利に獲得

していると見做すことが出来るというわけですが、実際のリターンは理論値より大きくブレるもので

レードミスによる機会損失や不要な税金支払いを避けるために、複利大義名分に「ほったらかし」や

「ガチホ」を推奨しているというのが実情でしょう。

 

結論としては、投資に複利効果はあるけど金融業界の慣習的表現である側面が強い 

という感じでしょうか。

 

『含み益バリア』は気休めにもならない

評価損益は、いずれにせよ「幻」ではなく「現実」で、その実態を歪めて解釈するのは

欺瞞に過ぎないことは直言しておきたいと思います。

 

仮に元本100万円で50%の含み益があったとしても、35%の下落に見舞われれば

1000000 × 1.5 ×(1 - 0.35)= 975000

のように元本割れとなり、思ったほどの防御力は発揮されません。

 

弱気相場において含み益が気慰みになるかどうかは運次第ですが、そもそも含み益はバ

リアなどではなく、時価評価ではあれど資産に違いありません。

評価益も含めた資産全体の保全を考えるのが「資産運用」であって、元本さえ守れれば

良いというのは「元本運用」とでも称する方が適当でしょう。

 

とは言え、投資の継続の意欲が失われては元も子もないので、何某かを恃みにすること

自体は否定しませんが、巷で喧伝されているものは蒙昧主義的にリスクを軽視させる

詭弁紛いで粗悪なものも少なくありません。

 

今年のように相場が好調だと、ここぞとばかりに爆益煽りの手合が湧いてきますが、暴

落にしろ爆益にしろ、決め打ちで相場を語っているようなものに再生数稼ぎ以上の意味

はありません。

しかし、そういった動画が何万再生もされているあたり、日本の金融リテラシー教育の

敗北を感じざるを得ません。

 

そもそも元本保全志向であること自体がリスク許容度の低さを物語っているわけで、そ

ういう人達に向けて大きくリスクを取ることを教唆するのは、根本的に不適切です。

 

 

 

雑感 2403

 

 

酩酊相場はいつまで続く

人によってタカ派ハト派か解釈が分かれる結果となったFOMC

2025年以降の金利水準が上方修正された点から鑑みれば中長期的にネガティブ。

 

https://cms.zerohedge.com/s3/files/inline-images/bfmE451.jpg?itok=vvAXZMtA

Fed Remains On Hold, But 'Dots' Reveal Hawkish Bias | ZeroHedge

 

FRBは2024年の利下げの中央値を3回に据え置いたが、それ以後はFRBの利下げの積極性が大幅に

低下することを示唆している。また、2024年のドットの中央値は変わらず12月には8人が50bp以下

だったのに対し、現在は9人となってる。

FRBは現在、2025年と2026年に利下げが1回減ると予想しており、いわゆる「中立金利」も

引き上げられている。

 

近くバランスシート縮小(QT)を鈍化させることも発表され、これは好材料だが

昨年末は、2024年は6回の利下げを織り込んでの株価上昇だったはず。

たった年3回の利下げを好感していいのだろうか。

 

 

FOMC当日は高値更新したものの、金曜は顕著に金利低下したものの相場は軟調

 

 

金利感応度が高いはずのRussell 2000の下げが大きい。

リスクオフの債券買いなのか?

 

S&P 500 (^GSPC) *週足

2017年以降、週足RSIが79を超えたのは2回。

いずれも程なく大幅な調整を迎えている。

 

 

www.bloomberg.co.jp

 

調査の予測中央値では、米10年国債利回りは現在の4.3%弱から4.5%程度に

上昇するとの見通しが示された

 

各種経済指標から考えればそれぐらいが妥当だが、株式市場だけでなく債券市場も

機能不全に陥っている。

 

そうは言っても10年債金利は中長期的には上昇トレンド。

30MA(黄)を上抜ければ、流石に市場も反応するか。

 

CBOE Interest Rate 10 Year T No (^TNX) *週足

 

 

FEDのバランスシートとの相関が、ここ数か月は顕著に崩れている。

https://www.isabelnet.com/tech-stocks-g3-central-bank-balance-sheet-vs-nasdaq-100/

 

銀行準備預金との乖離も同様。

https://cms.zerohedge.com/s3/files/inline-images/bfm689A.jpg?itok=sFxKsLde

Large US Banks Suffer Another Weekly Deposits Outflow; Stocks & Fed Reserves Completely Decoupled

 

 

失業保険申請件数は低水準だが、WARNの数字は急速に増加している。

 

https://cms.zerohedge.com/s3/files/inline-images/bfm684F.jpg?itok=kWMktZa9

Worker Adjustment and Retraining Notification (WARN)

 

Worker Adjustment and Retraining Notification (WARN)

WARNは、工場の閉鎖や大量解雇の前に、影響を受ける従業員と州および地方の代表者に

60日前に通知することを雇用主に義務付けることで、従業員、その家族、およびコミュニティ

を保護します。

 

非農業部門求人数の低下は景気後退時に見られるものだったが・・・。

 

 

歴史的に非PMI先行利益指標に基づけば、EPS成長が急速な悪化に陥ってもおかしくない

が、不思議と持ち堪えている。

 

https://www.isabelnet.com/wp-content/uploads/2022/09/SP-500-LTM-EPS-Growth-YoY.png

https://www.isabelnet.com/earnings-sp-500-ltm-eps-growth-yoy/

 

すっかり忘れ去られた債務上限問題。

 

www.zerohedge.com

 

土曜日の早朝、上院が1兆2000億ドルの歳出パッケージを承認したため

部分的な米国政府の閉鎖は回避されました。

連邦政府が酔っぱらった船員のように支出し、国家債務が最近34兆5780億ドル以上に急増する中

共和党がより深い歳出削減を要求することを中心に、キャピトルヒルで数ヶ月のドラマが終わります。

 

https://cms.zerohedge.com/s3/files/inline-images/Snag_34cc5a18.png?itok=TXrnvJDV

 

当然利払い費用も急騰。

 

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iraO6FAAz0uU/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/-1x-1.png

 

米国の年間利払い額、推定1兆ドル突破-国債への売り圧力強まる恐れ - Bloomberg

 

「当面は2兆ドルを超える赤字が見込まれるほか、2020年3月から増発してきた国債

償還分についても借り換えが必要になる」

 

金利の影響が経済に及ぶのはこれから。

 

 

謎の半導体投資家の謎

 

👞✨

今や米国株投資家なら誰でも知っているNvidia

余りに手垢が付き過ぎて、手垢の重みで上がれなくなっているようなので、少し引いた

視点から観察してみようと思います。

 

株価チャートだけ見るといかにもバブルのように見えます。

実際、ドッコムバブル期のCiscoのチャートに準えて「これから暴落が来る」と脅すよう

な論調も散見されます。

 

They Said It Looks “Similar” - YouTube

 

確かに値動きだけ見ればよく似ているのですが、PERで見ると

 

 

当時のCiscoは利益の500倍近い株価でしたが、今のNvidiaは30倍そこそこです。

これを以て、「全くバブルではない」「AIブームは始まったばかり」「AI用チップ開発

Nvidiaの独擅場」と強気なのが fair-weather fan の主張 ですが、そんな泡沫投資家で

も分かるような情報に市場価値は絶無で、その程度のことは皆織り込み尽くした上での

今の株価だということです。

Nvidiaの業績が伸び続けることと、今の株価で投資した人が報われることはイコールでは

ありません。

 

 

投機的な銘柄は投機家目線で見た方がいくらか役に立つかもしれません。

対数チャートにトレンドラインを引くと下図のようになるそうです。

 

 

ほぼ天井と言って良い水準です。

しかし、2018年から2019年のように、天井水準に張り付いたまま上昇を続ける可能性も

あります。

ちなみにこの時、2018年1月の高値から2019年10月の高値まで、約18%ほど上昇しました。

 

下図はNvidiaの対数チャート(週足)に200MAとStochasticsを表示したものです。

 

 

概ね200MAをトレンドラインに推移しているようです。

2018年10月から12月までのドローダウンは約58%でした。

2021年11月から、2022年10月までのドローダウンは約69%でした。

 

これに倣うならば、今後起きるドローダウンも50%超である可能性が高いですが、20%

程度のアップサイドを期待して、50%以上のダウンサイドを喰らうリスクを負うことは

リスクリワード比で考えて、優位性があると言えるでしょうか。

 

上の仮説は飽くまで過去のチャートから見た単純化した想定ですが、需給面から見ても

Nvidiaの短期的な買い需要は高いようです。

即ち売られる時も短期的に資金が抜けやすいということです。

 

youtu.be

 

 

1番右側の ヘッジファンドが半年間の間にどれぐらい ポジション拡大したか。

エキセントリックに 短期間に一気に拡大してれば、それは一気に売るっていう

可能性があります。

 

Nvidiaの過去半年間のヘッジファンド保有株数の増減率は、ダントツの69.8%です。

値惚れ買いは個人投資家だけのお株では無いようですが、銘柄に惚れるのは個人投資家

に軍配が上がるようです*1

 

SOXやSOXLなんかを触ってる人たちも同様です。

 

 

 

 

*1:「すぐ助かります」とはどれぐらいでしょうか。2年ぐらい?