2023年の投資展望とかどうでもいい
ということで、向こう数年の展望について。
少なくとも、もう20%は下げないと強気にはなれないですね。
以上。
それだけではなんなので、ゲームとしての投資について少し。
〇者のゲーム?
市場平均(インデックス)に勝とうとする努力について、しばしば「敗者のゲーム」
なんて言われてますが、ではインデックス投資は何者のゲームでしょうか?
超長期のチャートを見れば勝者のゲームであることは瞭然ですが
勝者のゲームのプレイヤーの中でも勝ち組と負け組は生まれます。
仮に期待年利を7%と見て投資を始めたなら、そのリターンを達成出来なければ
少なくとも諸手を挙げて「勝ち」とは言えないでしょう。
インデックスですら自身の平均から大きく乖離することがあるのですから
それを意識して立ち回った方が平均的な意味での勝利(=長期の平均リターン)
を達成する確率が上がるのではないでしょうか。
闇雲に相場を張るより、心理的にも楽でしょう。
んで、市場の平均のそのまた平均を見定めるには、移動平均線を手掛かりにするのが
手っ取り早いんじゃないの、というようなことを過去に述べましたが
今回は移動平均とは少し違った平均線を通して市場を眺めてみたいと思います。
NISA枠拡充で、一度に投資する額が大きくなるのなら猶更、漫然と市場に資金を
投じることにシビアになってほしいところです。
どうせやるなら“平均の向こう側”を目指そうぜ。
!?
ということで、独自の計算でS&P500の年間リターンを幾何平均で6.65%と見て
コンスタントに6.65%成長の線(濃青)と、S&P500の株価チャートを比較しました。
*Closeというのは終値のことです。
1932年は世界恐慌が大体落ち着いた頃なのでスタート地点としてはいいかなと。
1932~2021年で平均年利7.3%ぐらいなのですが、あまりバブリーな期待をするのは
どうかと思うので渋めでいいでしょう。
対数のやつ
こうやって見ると、まだ割高です。
で、平均から上振れた後は、ほぼ確実に平均線の下に突っ込むようです。
「平均への回帰」というのは予測ではなく、統計学的現象なので
今は保守的に構えるべき局面でしょう。
2021年の高値を抜けるのは2030年ぐらいでしょうか。
だとするなら、ざっくり8年で26%の上昇、年平均で3%ぐらい。
しばらくはこんなもんでしょう。
個人的にはかなり納得感があるんですが、科学的根拠は薄いので気に入らない人は
自分で好きな数字を当て嵌めてみてください。
しかし今年のパフォーマンスが悪かったからか、来年は株高を願う声を見かける
のですが長期積立やってるなら、株高はなるべく後にズレてくれた方が得だと
思うのですが、どういう人たちが言ってるんでしょうか。
たった一年でこんな様子なんだから、庶民の胆力なんてたかが知れてますよね。
だから私は胆力ベースの投資には否定的なんです。
ここからの短期的な上昇はノイズと捉えるべきか
月足のをStochasticsを見ると、底値から上昇の兆しが見えます。
しかし2001~2003年あたりを見ると、Stochasticsは上昇しているのに株価は下落しています。
Stochasticsは飽くまで「買いの強さ」を測るものなので、株価の上昇と一致しません。
特に今のような下落トレンドの局面では。
一旦持ち直してからまた下落した場合は、長期投資家にとっては高値掴みの機会
を提供されただけで有難迷惑です。
以下、小言
これまた繰り返しになりますが、「投資に必要なのは鋼のメンタル」だの
「リスク許容度」だの空疎な文言が飛び交っていますが、根性で相場にしがみ
ついたところで得られるものは、相場から退場しなかったという皆勤賞程度の
もので、それ自体は投資成果を保証しません。どれだけのリターンを得られるかは
その時の相場次第で、単なる運です。
そもそも投資経験の浅い人にリスク許容度なんて言ったところで、酒を飲んだことの
ない人に自分がどれぐらいで酔いつぶれるか尋ねるようなものです。
投資を始めるタイミングも「誰かがFIREしたのを聞いた」とか「NISAが改訂された
から」とか、何かと個人の都合、もっと有体に言うと「欲望と恐怖」で考えがちですが
投資において欲望と恐怖なんてものは判断を狂わす二大巨頭だし、金融庁も相場環境
を考慮して制度を改定しているわけではありません。
「投資はいつ始めてもいい」「なるべく早く始めた方がいい」という惹句も
「ただし投資は自己責任で」という冷たい常套句とセットで、実態は
「いつ上がるか下がるかなんて誰も言い当てられないから運を天に任せて飛び込む
しかない」程度のことしか言っていません。
せっかく勝者のゲームのアイデアに乗ったのに、横着者のゲームや粗忽者のゲーム
で終わらぬよう努めたいものです。
もう一つ貼っておこう。
過去の暴落を見ると、平均との乖離率が30%超は危険水準です。
ということで、ご安全に。
NISA枠が拡充されたなんて話題で「なるべく早い時期にNISA枠全力が正解」なんて無邪気に言ってる人
がいるようですが、2024年に新NISAが始まって、その時に株価が上昇していたからと言って、安易に
買いつくと痛い目を見るかもしれません。