穏落

 

 

「暴落」でも「買い場」でもない

4/12の米国株は、値幅は大したことないが揃って下落。

 

 

原因はインフレ。

まず4/10に発表されたCPIの数値が市場予想を上振れした。

 

当然長期金利も急騰し、その日は金利に敏感なRussell 2000などは3%近く下落したが

翌4/11はNasdaqを中心に反発する。

金利に勝る成長性を持つビッグテックに資金が集中するという、ここ1年ほど市場を席

捲した展開に。

 

 

理由は生産者物価指数の数値が予想を下回った(コアの数値は市場予想を上回っている

が)からだが、Dowは全く回復出来ず、Russell 2000も半値戻しにも至らず。

 

 

しかし、この数値はカラクリがあり、それを知ってか知らずか4/12の23:00の「ミシガ

ン大学期待インフレ・消費者信頼感」発表前から先物が弱含み始める。

 

結果はインフレ期待は上振れ、消費者信頼感は下振れ。

 

これを受け、VIXは久しぶりに20近くまで急騰。

 

生産者物価指数のカラクリについては、上掲のzerohedgeの記事にあるように

3月に米国全体の平均ガソリン価格が6.3%上昇したにも拘らず、「季節調整」で3.6%下

落したことになっている。

 

早くも今の時点で26日発表のPCE価格指数の下振れ予測記事が出ている。

 

www.bloomberg.co.jp

 

これも季節調整されているのかもしれないが、ガソリン価格はここ最近はずっと上昇

基調であり、来月発表の数値が強ければ一旦安堵した市場はまた動揺するのではないか。

それもまた「季節調整」で乗り切るのだろうか。

 

雇用統計のカラクリついては過去記事でも触れたが、少なくとも選挙まではこの調子で

株価も底堅く「季節調整」されるのだろう。

 

非科学的な相場分析

Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *四時間足

 

日経平均先物)はCPIショックで1%強下落するも、その日の内にほぼ回復し、その夜

Nasdaqの反発に連れ高し、時間外では抵抗線だった50MAを抜け100MAまで到達する

もザラ場では寄り天で200MAまで後退する。

その後は見ての通り、その夜の米国の下落に同調し、前回安値を割る。

 

株価だけ見ると3月の安値は割っていないが、日足のチャートを見ると50MAを割ってし

まっており、テクニカル的にはもう一段安の懸念が生じる。

 

Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *日足

 

S&P500(現物)は日足50MAで下支えされているが、30MAを近い内に上抜け出来なけ

れば再度下落の公算が大きい。

 

S&P 500 (^GSPC) *日足

 

週足を見ても11月以降ほとんど見られなかった陰線をつけているので余程の材料がない

と反発は難しい。

数か月内に50MAまでの調整はほぼ間違いなくあるだろうが、いつになるかによって調

整幅が変わる(概ね4500~4700を想定)。

 

S&P 500 (^GSPC) *週足

 

株価急落を受けリスクオフの債券買いで金利がやや低下したが、一時4.6%近くまで急騰

した10年債金利は株式相場の上値を重くするだろう。

 

CBOE Interest Rate 10 Year T No (^TNX)

 

 

5月下旬にNvidiaの決算がある。

それまでは相場を押し上げる材料に乏しい。

 

NVIDIA Corporation (NVDA) *週足

 

チャートを見る限り出来高も減り、短期線(5MA)の下に潜ってしまっている。

下髭をつけているのでまだ救いがあるが、また黄色の30MAまで調整するなら700ドル近

くまでのドローダウンは覚悟した方が良い。