新年度入りを契機に、折り目正しく相場に変調の兆し。
まずは日経平均。
Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *四時間足
① 期初の需給要因により、3月MSQ(3月8日)以来再度50MAを割った後、② 200MA
に下支えされ力強く反発したように見えたが50MAが上値抵抗になり再度下落。
③ 4/5未明、米国株突如のリスクオフを受け、一時1000円安となり200MAを明確に割る。
翌日取引で米国株はひとまず回復を見せるが、日経先物は今現在200MAまでは届かず。
日経先物チャート4時間足の200MAは、年初来の上昇を支えてきたトレンドラインであ
るので、これが崩れると上昇トレンド継続が危ぶまれる。
Nikkei/Yen Futures,Jun-2024 (NIY=F) *四時間足
オプションの建玉を見ると、4月限で38000、5月は36000が最多。
価格帯別出来高を見ると、38000~36000間は殆ど空白地帯なので、下に抜けると早い
かもしれない。
米国株については、今はS&P500よりNasdaq100を見た方が分かり易い。
日経平均と同様に、先物チャート4時間足の200MAをトレンドラインに推移している。
Nasdaq 100 Jun 24 (NQ=F) *四時間足
また、直近の値動きも、200MAを切り50MAに頭を押さえられ、と日経平均と似たよう
な推移であり、徐々に上値を切り下げている。
このまま再度200MAを下に切るようなら、上昇継続シナリオは一旦断念した方が良い。
Nasdaq 100 Jun 24 (NQ=F) *四時間足
経済指標次第だが、6月利下げシナリオが潰えるとなると、相場には相応の冷や水とな
ると思われる。
6月半ばにFOMCがあるが、その頃に向けて週足50MA水準(株価にして4800程度)まで
の調整があっても何の不思議もない。
S&P 500 (^GSPC) *週足
日柄的には黄色の補助線まで下げてもおかしくないが、仮に6月中旬に黄色の補助線ま
で調整となると、株価は4500程度まで下がることになる。
今のところは、6月中頃まで下げた後、9月初頭まで一時持ち直し、その後10月末に底打
ちというのがメインシナリオ。
10月末に黄色の補助線まで下げるとなると、株価は4700程度。
前回選挙があった2020年のチャートは以下の通り、9月初頭から急落し10月末に底打ち。
S&P 500 (^GSPC) *日足(2020年)
選挙後は年末に向けて株高という安易な相場予想が出回っているが、どうなるかは至って
不透明。
トランプが返り咲けば、減税など株価の後押しとなる政策が取られると目されてはいるが
今のような財政逼迫した状態で減税する余裕などない。
誰が政権を担当しようと、放漫財政を継続するなら国債が投げ売られてもおかしくない。
今年の株価より長期の懸念材料が大きい。
FRBに挑むのは危険な試みだ。しかし、今回は市場が正しいと思う。
市場はフェデラルファンド(FF)金利が27年に約3.75%で底を打つと見込んでいるが
連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの予想中央値は2.6%で、100bp以上低い。
その主な理由は、経済の力強さと金融環境の大幅な緩みだ。
高めの平均インフレ率が例えば2.5%で、1-1.5%の中立金利であれば、FF金利が長
期的に3.5-4.0%になることを暗示している。
これは27年の約3.75%が底だとする市場の見方に沿ったものだ。
従って、次に調整しなければならないのは市場ではない。FRBの方だろう。
10年債金利も順調に高値を更新し続け、素知らぬふりを決め込んでいた株式市場も流石
に反応し始めた。
CBOE Interest Rate 10 Year T No (^TNX)
金価格の上昇も著しい。
Gold Jun 24 (GC=F)