2022年の相場は暴落ではない
去年のようなベアマーケットでは「暴落」という言葉をよく見かけましたが
個人的には暴落らしい暴落はなかったと思っています。
サーキットブレーカーが発動したという話も聞かないし、FOMCなどのイベント前後
で数%下げたというのも何度かありましたが、毎度淡い期待で上昇していた分が引き
戻されただけで調整の域を出ていないように思えます。
そもそも2022年の相場自体、教科書的な金融引き締め下の調整で、暴落というには
随分穏やかです。
山崎氏も「今回の下落は普通の株価下落」との見解だそうです。
氏に言わせればリーマンショックすら普通の株価下落だということです。
普通かどうかは微妙なところですが、妥当な下落だと私も思います。
話が逸れましたが、敢えて去年のハイライトを挙げるなら、1/17の週足の大陰線です。
コロナショック以降、黄色の30MAをトレンドライン(下値支持線)として推移して
いましたが、そこで明確に下抜けしました。
ここで市場参加者の大半は「上昇トレンドが終わった」と捉えたようです。
その後2度ほど、その30MAを超えようとする動きを見せますが、今度はそれが上値
抵抗線となって跳ね返され、本格的な下落に転じます。実に教科書的なプライスアク
ションです。
このような値動きはよくあります。
逃げ場が2回も用意されていたので、2022年の下落は易しい部類だと思います。
その後の値動きも概ね50、100、200といった基本的な移動平均線の間で折り目正しく
推移しているので、暴落というには少し行儀が良すぎるように思います。
今後気を付けるべきこと
*S&P 500 (^GSPC) 月足
リーマンショック以来続いてきた、月足50MAを下支えとする上昇トレンドが守れる
かどうかに留意すべきです。
コロナショック時は、大規模緩和で短期間でトレンド回復しましたが、そう毎回都合
良く事が運ぶわけではありません。
緩和に慣れきって、「何かあってもFedが何とかしてくれる」といった能天気な態度で
相場に臨む市場参加者が散見されますが、良くない兆候だと思います。