米国株最高!

 

S&P5005000

恒大集団が破綻しようが、各国に商業用不動産の焦げ付き懸念が飛び火しようが、そん

なことは過去のニュースとばかりに市場はジリ高基調を崩さず。

テスラがM7から陥落したり、Googleが冴えない決算で売られたりと区々ではあります

が、バリュー界の成長株メタが決算で20%爆騰したり、Armが50%大爆騰したりとセンチ

メントに翳りは見えず。

まあ、私は昨年末から1ミリも乗れていないわけですが。

 

そんな最中に発表された雇用統計。

毎度のように過去のデータがしれっと下方修正されることでお馴染みの米国労働省発表

のデータですが、予想を大きく上振れし、今回は珍しく前回結果も上方修正。

 

 

しかし、あまりの強さにケチが付きまくっている模様。

事前に発表されるADP雇用統計の家計調査と、労働省発表の事業所調査とは大きく乖離

が生じています。

 

https://realinvestmentadvice.com/wp-content/uploads/2024/02/multiple-job-holders.jpg

 

 

https://cms.zerohedge.com/s3/files/inline-images/full%20time%20vs%20part-time.jpg?itok=sYQHusm5

China Stocks In Freefall, Government To The Rescue - RIA

 

複数の職場を掛け持ちの人をダブルカウント、トリプルカウントしているという話。

しかも過去一年を遡ってみても、増えているのはパートタイムばかり。

また時給の上昇分が労働時間の減少によって相殺されているので、国民の生活は徐々に

困窮していることでしょう。

 

これで本当に経済が強いと言えるのか、と各方面から疑念の声が噴出していますが

市場は意に介さず史上最高値を更新中。

実際GDPも強いので、無理もないのですが。

 

https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow

 

しかしGDI(Gross Domestic Income:国内総所得)はGDPほど伸びていません。

 

 

 

景気が強いのにモノが動いていない?

 

https://www.isabelnet.com/wp-content/uploads/2019/05/Truck-Tonnage-vs.-SP-500-Index.png

https://www.isabelnet.com/truck-tonnage-vs-sp-500-index/

 

www.bloomberg.co.jp

 

United Parcel Service, Inc. (UPS)

 

 

景気が良ければ税収が増えるはずですが・・・。

 

https://realinvestmentadvice.com/wp-content/uploads/2024/01/Federal-Tax-Receipts-vs-GDP-2-yr-ROC.png

データを平滑化し、24 か月の変化率でインフレ調整後の税収を使用することで

正確な相関関係がわかります。

税収が年間成長率 2% を下回ると不況が起こります。

2年間の受入額の年間変化は 2% の警告ラインを大きく下回り、現在は -5.77% です。

 

https://realinvestmentadvice.com/wp-content/uploads/2024/01/GDP-less-Deficit-Spending-vs-GDP.png

経済成長は表面上は期待を裏切り続けているが、財政赤字支出の増加がなければ

第3四半期の経済成長率は6.21 %ではなくわずか0.7%で景気後退水準に

達することになるでしょう。

Deficit Spending Keeping The Economy Out Of Recession - RIA

 

頼みの綱の経済成長も赤字支出頼みのようです。

 

www.zerohedge.com

 

成長に関する大いなるデマ

第4四半期のGDPは3,290億ドル増加して27兆9,390億ドルとなり、でっちあげではあるが

立派な数字だが、より気がかりなのは、同じ期間に米国の財政赤字が50%以上

つまり5,100億ドル以上増加したことです。

1 ドルの成長を生み出すには 1.55 ドルの財政赤字が必要となり

1 ドルの GDP 成長を生み出すには 2.50 ドル以上の新たな債務が必要になります。

 

結論:米国株最強!

これだけの虚仮威しを揃えて市場を支える「システム」は見事というほかありません。

高成長産業は勿論、他国にはない強力な金融・財政諸々の力が株式市場を支えてくれ

るわけですから、これからもカネにモノを言わせ、皆の期待を背負って躍動してくれる

ことでしょう。

 

私は今のところNISAは勿論、長期目線で資金を投ずる気は微塵も起きませんが。*1

 

 

https://www.isabelnet.com/wp-content/uploads/2023/06/12-Month-Forward-PE-Ranges-MSCI-Regions.png

https://www.isabelnet.com/valuation-12-month-forward-p-e-ranges-msci-regions/

 

https://www.isabelnet.com/wp-content/uploads/2023/09/SP-500-Earnings-Yield-UST-3-Month-Yield.png

https://www.isabelnet.com/sp-500-earnings-yield-ust-3-month-yield/

 

https://www.isabelnet.com/wp-content/uploads/2022/11/SP-500-and-Liquidity.png

https://www.isabelnet.com/sp-500-and-liquidity/

 

www.fidelity.co.jp

 

いま米国・大型成長株式に投資をすると、今後10年間の期待リターンはどの程度か?

今後、10年間の実績リターンは0%~5%程度にとどまると目算されます。

 

最近はNISAでオルカンは半端者が選ぶ投資商品で、素直にS&P500買っておけよ、何だ

ったら成長性の核であるNasdaq100やFANG+だろ、という風潮が醸成されつつあるよう

ですが、2021年の終わり頃、レバナスブームに遅れて乗って来た人達の再来を感じます。

 

 

https://www.isabelnet.com/wp-content/uploads/2020/04/Insider-Transactions-Ratio.png

https://www.isabelnet.com/insider-transactions-ratio/

 

www.bloomberg.co.jp

 

 

*1:

2年ぐらい前からずっと言っているわけですが、リーマン危機を経験していない私の

短い投資経験の中では、過去一投資意欲が失せています