S&P5005000
恒大集団が破綻しようが、各国に商業用不動産の焦げ付き懸念が飛び火しようが、そん
なことは過去のニュースとばかりに市場はジリ高基調を崩さず。
テスラがM7から陥落したり、Googleが冴えない決算で売られたりと区々ではあります
が、バリュー界の成長株メタが決算で20%爆騰したり、Armが50%大爆騰したりとセンチ
メントに翳りは見えず。
まあ、私は昨年末から1ミリも乗れていないわけですが。
そんな最中に発表された雇用統計。
毎度のように過去のデータがしれっと下方修正されることでお馴染みの米国労働省発表
のデータですが、予想を大きく上振れし、今回は珍しく前回結果も上方修正。
しかし、あまりの強さにケチが付きまくっている模様。
事前に発表されるADP雇用統計の家計調査と、労働省発表の事業所調査とは大きく乖離
が生じています。
China Stocks In Freefall, Government To The Rescue - RIA
複数の職場を掛け持ちの人をダブルカウント、トリプルカウントしているという話。
しかも過去一年を遡ってみても、増えているのはパートタイムばかり。
また時給の上昇分が労働時間の減少によって相殺されているので、国民の生活は徐々に
困窮していることでしょう。
これで本当に経済が強いと言えるのか、と各方面から疑念の声が噴出していますが
市場は意に介さず史上最高値を更新中。
実際GDPも強いので、無理もないのですが。
https://www.atlantafed.org/cqer/research/gdpnow
しかしGDI(Gross Domestic Income:国内総所得)はGDPほど伸びていません。
景気が強いのにモノが動いていない?
https://www.isabelnet.com/truck-tonnage-vs-sp-500-index/
United Parcel Service, Inc. (UPS)
景気が良ければ税収が増えるはずですが・・・。
データを平滑化し、24 か月の変化率でインフレ調整後の税収を使用することで
正確な相関関係がわかります。
税収が年間成長率 2% を下回ると不況が起こります。
2年間の受入額の年間変化は 2% の警告ラインを大きく下回り、現在は -5.77% です。
経済成長は表面上は期待を裏切り続けているが、財政赤字支出の増加がなければ
第3四半期の経済成長率は6.21 %ではなくわずか0.7%で景気後退水準に
達することになるでしょう。
Deficit Spending Keeping The Economy Out Of Recession - RIA
頼みの綱の経済成長も赤字支出頼みのようです。
成長に関する大いなるデマ
第4四半期のGDPは3,290億ドル増加して27兆9,390億ドルとなり、でっちあげではあるが
立派な数字だが、より気がかりなのは、同じ期間に米国の財政赤字が50%以上
つまり5,100億ドル以上増加したことです。
1 ドルの成長を生み出すには 1.55 ドルの財政赤字が必要となり
1 ドルの GDP 成長を生み出すには 2.50 ドル以上の新たな債務が必要になります。
結論:米国株最強!
これだけの虚仮威しを揃えて市場を支える「システム」は見事というほかありません。
高成長産業は勿論、他国にはない強力な金融・財政諸々の力が株式市場を支えてくれ
るわけですから、これからもカネにモノを言わせ、皆の期待を背負って躍動してくれる
ことでしょう。
私は今のところNISAは勿論、長期目線で資金を投ずる気は微塵も起きませんが。*1
https://www.isabelnet.com/valuation-12-month-forward-p-e-ranges-msci-regions/
https://www.isabelnet.com/sp-500-earnings-yield-ust-3-month-yield/
https://www.isabelnet.com/sp-500-and-liquidity/
いま米国・大型成長株式に投資をすると、今後10年間の期待リターンはどの程度か?
今後、10年間の実績リターンは0%~5%程度にとどまると目算されます。
最近はNISAでオルカンは半端者が選ぶ投資商品で、素直にS&P500買っておけよ、何だ
ったら成長性の核であるNasdaq100やFANG+だろ、という風潮が醸成されつつあるよう
ですが、2021年の終わり頃、レバナスブームに遅れて乗って来た人達の再来を感じます。
https://www.isabelnet.com/insider-transactions-ratio/