限られたルールの中で勝利条件を満たしただけ

 

2023年に株高を齎したもの

結論から言うと「利下げ期待」「AI」「流動性です。

「堅調な経済」を加えたいところですが、そもそもM7以外の業績が冴えないという理

由でM7に資金が集中していたという事情があるので微妙です。

 

「Dow指数」は最高値を更新していますが、Dow自身の株価は横這いです。

Dow Inc. (DOW)

 

中国の消費低迷の影響が大きいNIKE

NIKE, Inc. (NKE)

 

Disneyなんかは酷いものです。

The Walt Disney Company (DIS)

 

前回掲載したUPS

 

ウォルマートはまだマシな方です。

Walmart Inc. (WMT)

 

剥落しつつある上昇材料

まず「利下げ期待」ですが先日発表されたCPIおよびPPI共に市場予想を上振れました。

それを受けて、再利上げの話も浮上。単月の結果だけで判断は出来ませんが、去年11月

には、今年の3月にも利下げと浮かれていましたが、今はもう5月利下げすら望み薄に。

 

米国政策金利モニターツール - investing.com 日本

 

 

次に「AI」への期待ですが、2/21にNvidiaの決算があります。

ですが、既に期待は大きく織り込まれている為、材料出尽くしで売られる懸念も少なか

らずあるでしょう。

 

NVIDIA Corporation (NVDA)

 

お供のスーパー・マイクロ・コンピューターは一足先に調整色

金曜日は下髭も付けずに大陰線で5MAを下抜け。

 

 

 

そして今、最も重要かもしれない流動性ですが、それを支えていたリバースレポも

枯渇間近。

それに伴い、QT縮小の議論も遠からず持ち上がるでしょうが、QT停止・QT終了どころ

か、QE再開そして利下げとの意見も。

経済指標の強さとインフレ再燃の懸念がある中、QE開始は正当化されないでしょう。

 

炭鉱の龍の人

RRP枯渇のタイミングでのQT減速を唱える声が上がりはじめ、本ブログなどはそれを

「甘え」としてきた

RRPが枯渇した程度でQT減速を始めるなら、結局2021年の過剰なQE

クライマックス部分だけが巻き戻ったにすぎない。

そのクライマックス部分さえもRRPにオフセットされていたのだから、体感的には

要するにQTというものは一切存在しなかったことになるのではないか。

これほど大掛かりで永久的なBS拡大がまかり通ることに対して憤りを禁じ得ないところである。

と述べられていますが、全く同感です。

 

それに付随した話で、債券の発行計画に不穏な点が見られるという意見が。

該当部分を抜粋すると

 

以前の様式では満期が到来する国債の量を測り知れたが、新しい様式では準発行額が分

からなくなっている。

市場にショックを与えないように分かりづらくしているのではないか。

また、昨年11月発表の今年第1四半期の計画と違って短期国債の発行量は減らされ、そ

の分だけ長期国債の発行量が増えている。これは市場にとっては悪材料である。

 

流動性の源泉ともいえる短期債の減少だけでも悪材料ですが、長期債の増加は長期金利

の上昇圧力ともなるでしょう。

このところのインフレ指標の再燃からか、10年債金利は上昇基調にありますが、上記の

発行計画の件も織り込まれつつあるのかもしれません。

 

CBOE Interest Rate 10 Year T No (^TNX)

MACDゴールデンクロスか。

 

 

鬼より怖い・・・

www.youtube.com

 

日本株には逃げ足の速い投機筋のマネーが流入しているようです。

39000まで買い上げられる想定は十分可能ですが、一文新値で急落、なんて展開になら

ないといいのですが。

 

こちらの情報を見ると、流動性枯渇とは別にクレジットクランチの懸念が。

 

前にも書いたように、リスクが目先に迫っているからこそのリスクテイクの前傾化が起

こっているように思えます。

そこによく分かっていないNISA初心者や、「マネーリテラシーの高い」投資家が大勢乗

っかっているわけですが、単なる楽観から来る株高とは異質なものであることを思い知

らされる時も近いのではないでしょうか。

 

CBOE Volatility Index (^VIX)