オルカンは我々の救いとなるのか

 

我らが山崎元氏一押しならぬ一点張りの eMAXIS Slim 全世界株式(通称オルカン

ですが、ホントにそれ一本でいいのか、今のような円安時に全力買いして大丈夫

なのか、とここ最近の信奉されっぷりを見ると*他人事ながら気掛りになります。

 

*「我々」と言いながら私はオルカン買ってないです。というか今年、積立NISA枠を売却しました。

 今後も買う予定はありませんし、毎度チャート持ち出してるくせにS&P500もトレードすらしていません。    

 もっと値幅の取れるやつでやってます。

 

ということで、恒例の長期平均を求めて、将来の期待リターンをざっくり皮算用して

みました。

 

 

本当はMSCI ACWI を用いなければいけないのですが、長期のチャートが見当たらなかっ

たので、上のチャートはMSCI World のものです。何が違うのかについては

MSCI ACWI指数は、「MSCI World指数」と「EmergingMarkets指数」を足したもの

とご理解ください。

パフォーマンスの差は考慮するほど大きくないと思ったので、運用期間の長さを優先

しました。

今後、アメリカが衰退して新興国が台頭してくるようならMSCI ACWI の方が有望なの

でしょう。

 

長期平均との乖離率は、10月半ば時点で13%ほど。7月の高値で20%強だったので

そのころに比べればいくらかマシですが、喜び勇んで買うほど安くはありません。

更にこれを伸ばして10年、20年後の予測値を求めると

 

 

悪くないですね。

少なくとも、10年経っても2021年の高値を超えられないかもれないS&P500最強伝説

よりはマシのように思えます。

 

2023年10月現在、約2800ドルで、10年後の年末は約4700ドル、20年後の年末は

約8500ドルと試算されるので

 

10年で1.67倍(年率 約5.25%)

20年で3.05倍(年率 約5.74%)

 

程度のリターンが見込まれるようです。

更にこれに配当が2%程度加わるので、年平均7%程度のリターンは期待出来そうでは

あります。

 

しかし、これは今一括投資した場合の試算なので、ドルコスト平均法で積み立てたり

するとリターンは半減すると思っていた方が良いでしょう。

過度な期待は禁物です。

 

察しの良い方は既にお気付きだとは思いますが、オルカンは円建なので、上のドル建

チャートに為替を加味して判断しなければなりません。

 

2023年10月現在の2800ドルを1ドル=150円で計算すると 420,000pt になります。

20年後の年末8500ドルで計算すると、それぞれ

 

1ドル=150円で、1,275,000pt (3.04倍 年率 約5.7%)

1ドル=120円で、1,020,000pt(2.43倍 年率 約4.5%)

1ドル=100円で、850,000pt(2.02倍 年率 約3.6%)

 

になります。

ドルコスト半減法で臨んだ場合、配当込みで年3%ぐらいのリターンを期待しても

良いのかもしれませんが、円安の期間が長引けば、後に円高に振れた時それだけ不利に

なるので、年2%ぐらい、インフレにはどうにか勝てそうかな、程度の期待でいる方が

精神衛生上良いかもしれません。

 

 

 

最後にまた碌でもないチャートを載せます。

円建チャートに平均線を当て推量で引いたものです。

 

 

それらしいポイントを通過するように平均線を引いてみましたが、これがどの程度

有効なのか正直見当が付きません。

しかしこのチャートを見る限り10年後も今の高値を抜けない可能性が相応にあるので

今のような高値で性急に買い付くのは危険なのかもしれません。