NvidiaとZoomと病院食

 

 

気が早い 👺

今や「億り人製造機」などと持て囃されている NVDA ですが、企業業績は今後も順調に

成長していくでしょうが、そのストーリーというか、モメンタムの賞味期限は残念なが

ら、一般的な投資家が期待するよりずっと早い時期に到来するものです。

市場参加者は利に敏く織り込める材料は良きも悪しきも逸早く織り込んでしまいます。

 

「株価には先見性がある」なんて上品な表現をされることがありますが、その銘柄にど

れだけのプレミアムを支払いたいかは投資家が決めるわけですから、株価(=チャー

ト)と相談しながら決めるのがモメンタム投資では存外有用だったりします。

 

今のところナンシー・ペロシ議員も降りていないようだし、崩落の兆候があるわけでは

ないですが、いざその時になって慌てないように心の準備をしておくことは無駄ではな

いでしょう。

 

バリュエーション

 

Nasdaq100 の中からPSR上位20銘柄を抜粋しました。

PERはフォワードで30台と確かに高くはありませんが、PSRはハイグロースとして持て

囃されたCRWDやDDOGを凌駕するほど高く、過去の履歴から見ても格段です。

PSRというのは、Nasdaq100(QQQ)全体で見ても 4~5 程度のものです。

QQQ ETF Financial Ratios from Holdings | Composite Fundamental Summary

 

電力株との相関

エミン・ユルマズ氏は「本当にそのデータセンターが増えるんだったら電力需要が増え

るはずだがアメリカの電力会社の株は一向に上がってない」なんてことを言っていまし

たが Vistra という電力会社株はここ1年で4倍以上とNvidia を凌ぐパフォーマンスを上げ

ています。

 

Vistra Corp. (VST)

 

目先調整色が見られますが、トレンドラインは割っていないので、もう暫く静観してお

きましょう。

 

テキサスの電力会社ヴィストラ、AIへの投資が弱まり3年で最悪の週を迎える

電力生産会社ビストラ・コーポレーションの株価は、トレーダーらがAIによる電力需要の

急増への期待を後退させたことで、2021年2月以来最悪の週となった。

テキサス州に拠点を置く同社の株価は金曜日に1.4%下落し、14%下落した週を締めくくった。

 

この下落は、このエネルギー会社が億万長者のヘッジファンド創設者ダニエル・ローブ氏から

称賛を受けたことを受けて、同社の株価が1年で4倍以上に上昇し、AIのパイオニアである

エヌビディア社の急騰さえも上回った後のことだ。

利益確定売りは、AIブームでますます多くの電力が消費されるだろうと予想し、データセンター

の電力需要を賄う企業に投資家が殺到したことを受けて起きた。

 

同社が同州での天然ガス生産能力を増強する計画を発表したことから、先週金曜日に

株価は下落し始めた。

新たな発電設備の資金調達を目的としたテキサス州の融資プログラムへの強い関心が

投資家のビストラ撤退を促した可能性があると述べた。テキサス州議会が基金を拡大すれば

発電設備の「氾濫」につながり、電力価格の重しとなる可能性がある

 

先日のセミナーで、じっちゃまが電力株への投資は間違っていると述べていましたが

ここ1年のパフォーマンスを見る限り間違いではありませんでした。

しかし、アイデアとしては旬は過ぎている可能性が高そうです。

 

ファンダメンタル

 

Appleの今週の発表そしてMicrosoftのCopilot+PCの発表に見られるようにアーティフィシャル

インテリジェンスはクラウドつまりインターネットの中心からエッジへエッジへと出ていく

それはNVIDIAのような ネットワークのコアで仕事してる企業にとってビジネスオポチュニティ

がどんどん逃げていく、あるいは分散していくというリスクかもしれない

だからNVIDIAは数年前に アームを買収しようとしたわけですよね

NVIDIAは口には出して言わないけれども、もうそういう暗い未来というのはよく分かってるんです

 

Nvidia箆棒に高い利益率は、そういう需要を分かった上で短期決戦を決め込んだ結果

の産物なのかも知れません。

となると、持続不可能なEPSを元に算出したPERを低い低いと有難がるのもどうかという

話になります。

ビッグテックの過剰投資の話も興味深いので、ホルダーは一聴しておくと良いでしょう。

 

テクニカル

コロナ禍で熱狂的に持て囃されたZMという銘柄があります。

今や見るも無残ですが、当時じっちゃま銘柄として保有して痛い目を見た人も少なくな

いのではないでしょうか。

決算原理主義のじっちゃまは、「良い決算を出し続ける限り持ち続けて下さい」としか

言いませんでした。

そして決算をミスして売り判断を下したタイミングは2021年8月末。

⇩ の大陰線の辺りです。

Zoom Video Communications, Inc. (ZM) *週足

 

ちょっと遅い感はあります。

2020年11月9日にワクチン開発のニュースで15%の暴落を喫し、その後は高値を切り下げ

黄色の30MAを奪還し損なった辺りでテクニカル的には見切りを付けても良いプライス

アクションになっています。

 

もう少し拡大して日足チャートを見てみます。

概ね青の50MAをトレンドラインに推移していたのを①で明確に下抜けました。

ちなみにここが2020年11月9日です。

ワクチン開発ニュースを以って、モメンタム投資としてのZoomは終焉していたのです。

その後、②でトレンドライン奪還に失敗しています。

過去の下値支持線が上値抵抗線に変わり下落トレンド入りというのは、2022年の下げ相

場の例で紹介した通りです。

紹介記事:✖暴落 〇調整局面を鑑賞する

 

じっちゃまは今回も、Nvidiaだけではなくビッグテック企業の決算を見て設備投資に翳

りがないかを注視せよとおっしゃっていますが、その前にこんな感じでチャートが崩れ

てきたら逃げるというのも一案として心に留めておいても良いでしょう。

 

天井サインとしての株式分割

今月7日に1:10の株式分割を実施しました。

過去の分割タイミングを見ると天井が近い傾向にあるようです。

 

しかしまあ、人気化した銘柄を手放す決断というのは中々出来ないので、今回も多数の

人が未練がましくしがみ付き続けることになりそうです。

Zoomにしても、じっちゃまが売りと言った後も、キャシー・ウッドが買っているなどと

色々方便を設けては塩漬けにしたり、利益を吐き出し続けた人がいたようです。

 

前にも紹介した通り、Nvidiaの調整局面では50~60%当たり前のように暴落します。

 エヌビディアの過去の株価暴落を理解し未来のリスクに備える  

 

そもそも米国株自体が長引く高金利の為、金利の影響を受け辛いキャッシュリッチな少

数の大型ハイテク銘柄に資金が集中するという現象が起きています。

 

短期間に集中的に買われれば、その後の期待リターンは大幅に下がります。

 

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Fidelity International

 

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Weekly Chart Review - by Jim Colquitt

 

Nvidiaだけに留まらず、慢心や強欲に取り憑かれ、去年から暴落来る来る言われてるけ

どもう来ないだの、Fang+だのSOXLだのS&P500全力だのと息巻いている人たちをそこ

かしこで見掛けるので、痛い目を見て病院で栄養食を食べる事になる人が続出すること

が予見されます。

つきましては、栄養食を作っている会社の株を買っておくと良いかも知れません。